タタン、タタン、と2時間半の電車ひとり旅。
初めて2000円を越える切符を買った。
旦那サマと出張していた先から、トコトコ普通電車で帰ってきた。
本当は一緒に帰るつもりが、社員さんの事情で出来なくなったのだった。
旦那サマは物凄く寂しがったけれど、本当はあたしワクワクしていたんだ。
クルマでは通ったことのある風景、電車から見るとどうなるんだろう?なんて。
公共機関はとても苦手だけれど、大好きな音楽と読みかけの小説を連れていつもと違う1日を。
最近のあたしはとても頭でっかちになっていて、毎日が息苦しくて。
持続力がないことを実感し、半ばヤケになり日常が面倒だと思うところがあった。
知らない駅から駅に繋がれながら、車窓から見える景色にうっとりしたり、目を細めたり。
膝の上に乗せて読み始めていた小説もパタンと閉じて耳を澄ます大好きな唄声。
車内を見渡すと、まるで自分だけが浮いているようだった。
やっぱりその土地その土地の習慣や雰囲気ってある。
山間を抜け、トンネルをくぐり、ひらけた視界には海。
キラキラした水面を見て"お気に入りの海、久しく行ってないなぁ"なんて思いながら、旦那サマと砂浜ではしゃいだ日を思い出していた。
乗り換えた駅、少しずつ車内は満員になっていき。
東京で日常だった混み具合は其処にはなかったけれど、ずっと乗ってきた電車とはまた違う独特な雰囲気にのみこまれそうになって。
向かい合わせに座るボックス席、見知らぬ人たちと共有する時間。
目の前に座ったおばあちゃんの手袋をじっと眺めていた。
耳にしたことがある駅名が増え、だんだん近付く見慣れた街並み。
いつもクルマで走る国道を眺めながら"いつも電車が通ると「おっ!」と思うんだっけ"なんて心の中で呟いた。
最寄り駅からも市バスで帰ろうと、調べる時間。
いつもならタクシーに乗ってしまうような長めの待ち時間だったけれど、ぽかぽか陽が当たるベンチに座って、普段は食べないドライフルーツのアップルをかじりながら電車の中で読まなかった小説を読んでいた。
"いつもしないこと"をすることで、何かを変えられる気がした・・から。